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2025/03/27

リコージャパン大変革の一歩。20 年使用した自社開発の SFA / CRM から Dynamics 365 + AI 活用へ移行

リコーグループは、第 20 ~ 21 次中期経営計画において「デジタルサービスの会社への変革」を掲げ、収益構造の変⾰と収益性向上への挑戦を続けています。その一環としてリコージャパン株式会社(以下、リコージャパン)は、約 20 年使用し続けた、自社開発の SFA (営業支援) / CRM (顧客情報管理) システムの刷新を計画 しました。

旧システムに蓄積された数千万件の顧客情報を取り扱い、1 万 4 千 ものユーザーが活用する SFA/CRM として Dynamics 365 Sales の性能が申し分ないことを、PoC (Proof of Concept) を通じて確認したリコージャパンでは、マイクロソフトと豊富な知識経験を有するアクセンチュア株式会社 (以下、アクセンチュア) をパートナーに選択。万全の体制で開発をスタートさせています。

Microsoft FastTrack for Dynamics 365 や Microsoft Unified Enhanced Solutions などのサポートサービスを活用することで、膨大な顧客データ移行を含む新システムの構築を円滑化し、約 1 年という短期開発を実現。自社開発の AI と Dynamics 365 Copilot を併用し、データドリブンな営業活動へと変革を進めています。

Ricoh Japan Co Ltd

営業プロセス変革に向けた、入念なコミュニケーション

複合機などのオフィス機器の販売を中心としたビジネスを展開してきたリコージャパンは今、テレワークや DX (デジタルトランスフォーメーション) などの浸透によって大きく変化した市場にフィットする「デジタルサービスの会社」への変革を推進しています。

そして、この変革を支えるために長年リコージャパンの営業活動を支えてきた SFA / CRM システムの刷新を 2021 年から構想。2022 年には 6 か月をかけて PoC を実施して既存の SaaS への移行が可能であることを確認しました。さらにビジネス面と IT 面 の両方から、1 万 4 千ユーザーが活用する「新システムのあるべき姿」について検討を重ねてきたと、リコージャパン デジタルサービス営業本部 マーケティングセンター CRM企画室 室長 池田 和弥 氏は振り返ります。

「新システムは当社の変革を支える重要なシステムです。このシステムが目指す “あるべき姿” について検討するために、全国からトップセールス 8 名を集めた 新組織『CRM企画室』が 2022 年 4 月に設立されました。そして、リーダーである酒井を中心に現場へのヒアリングも交え、要件をまとめてきたのです」

CRM企画室のメンバーは、IT のプロではありません。そのため “システムありき” の発想に縛られることなく、利用者の立場で IT 専任のチームと自由に意見を交わすことができたと言います。こうしたコミュニケーションの質と量こそが、本プロジェクトを成功に導いたと言えるでしょう。

池田 和弥 氏, マーケティング本部 マーケティングセンター CRM企画室 室長, リコージャパン株式会社

“新システムの活用が進むことで売上の向上や案件の増加といった成果が生まれることを期待しています。さらに、お客様との関係性がより強固なものになればうれしいですね。また、Copilot などの生成 AI 活用がさらに進めば、営業活動だけでは気づくことができない、新しい気づきが得られるのではないかとも期待しています。”

池田 和弥 氏, デジタルサービス営業本部 マーケティングセンター CRM企画室 室長, リコージャパン株式会社

リコージャパンの理想を満たした Microsoft Dynamics 365 Sales

リコージャパンの新システム構築プロジェクトは、同社が 2020 年に定めたシステム開発の 基本方針に沿ってスタートしています。その主たるものが「Cloud First」「Fit to Standard」 です。同社 経営企画本部 DX推進センター CRM推進室 室長 長井 誠 氏は次のように説明します。

「2004 年に自社で構築した システム は、20 年にわたって改修を重ねたことで、ユーザビリティの高い営業支援システムとして社内に深く浸透していました。しかし、現在はシステムの複雑化 / 硬直化や改修コストの高騰だけでなく、生成 AI の活用など、新しいチャレンジを盛り込む余地もなくなっていました。そこで SaaS を活用し、なるべく “標準” に沿った仕様で新システム構築し、今後長期にわたりビジネスの変化に対応できるシステムの実現を目指したのです」

そして約半年にわたるPoC の結果、ビジネス部門とIT部門が双方一致して Dynamics 365 Sales を選択したと言います。

「当社が 20 年磨き上げてきた営業プロセスには、今後も残すべき長所がいくつも存在します。Dynamics 365 Sales にはローコード / ノーコード開発を可能にする Power Platform の製品群が存在しており、Fit to Standard の枠を外れることなくさまざまな要件にフィットさせることが可能になっています」(長井 氏)

「営業のチームも Dynamics 365 Sales は使いやすいと判断しました。それに、当社の情報共有基盤には Microsoft 365 を活用しています。Dynamics 365 Sales と Outlook や Teams と連携させることで 新システムを日常の業務に溶け込ませることができるのも、大きな評価ポイントでした」(デジタルサービス営業本部 マーケティングセンター CRM企画室 CRM推進グループ リーダー 酒井 一成 氏)

酒井 一成 氏, デジタルサービス営業本部 マーケティングセンター CRM企画室 CRM推進グループ リーダー, リコージャパン株式会社

“Dynamics 365 は、私たちから見ても使いやすいシステムだと感じました。しかし、実際に社内に浸透させるには、現場を支えるユーザーの『腹落ち感』が大切です。そのため 新システム導入前には、全国の拠点で計 250 回の説明会を行いました。そしてサービスイン後には、マネージャー以上を対象に活用促進を図っています。”

酒井 一成 氏, デジタルサービス営業本部 マーケティングセンター CRM企画室 CRM推進グループ リーダー, リコージャパン株式会社

リコージャパン株式会社 デジタルサービス営業本部 マーケティングセンター CRM企画室 室長 池田 和弥 氏 リコージャパン株式会社 デジタルサービス営業本部 マーケティングセンター CRM企画室 CRM推進グループ リーダー 酒井 一成 氏 リコージャパン株式会社 経営企画本部 DX推進センター CRM推進室 室長 長井 誠 氏

数千万のデータ移行。約 1 年の短期開発に向けた強力なパートナーシップ

Dynamics 365 Sales の採用を決めたリコージャパンが次に行ったのが IT パートナーの選定です。2022年 11 月に複数社からの提案を受けた結果、リコージャパンがパートナーとして アクセンチュアを選択しています。

池田 氏はその理由として「“目指す姿” を共有出来ていたことが大きい」と話します。
「アクセンチュアが私たちと目標および戦略を明確に共有しながらコミュニケーション出来る相手であることは、重要なポイントでした」

長井 氏はさらに「アクセンチュアには圧倒的な実績があった」と補足します。
「アクセンチュアは、マイクロソフトと共にアバナードという合弁会社を設立しています。プロジェクトを通じて、アクセンチュア / アバナード / マイクロソフトの 3 社が密接に連携し、より良い形でサポートしてくれる期待がありました。何より、アクセンチュアの Dynamics 365 導入実績は国内で群を抜いていました」

そして 2023 年 4 月からアクセンチュアが正式にプロジェクトに参加。そこから新システム基本設計を固めるために、3 か月で 30 回以上のワークショップ (3 時間) が重ねられていきました。このワークショップにはプロジェクトメンバーとその関係者 30 ~ 50 名が対面と Teams を組み合わせ参加。質の高いコミュニケーションを重ねることで、Fit to Standard を貫きながら理想の姿を追求することができたと言います。

FastTrack for Dynamics 365 と Unified Enhanced Solutions 

リコージャパンが従来活用してきた 旧システムは、大量のデータが蓄積されており最終的に3 億近いレコードを Dynamics365 にデータ移行したとアクセンチュアのテクノロジー コンサルティング本部の植村 慎 氏は言います。そして、それだけ膨大なデータを Dynamics365 において円滑に利用可能とできたのは Dynamics365 の処理性能に申し分がないことに加え、マイクロソフトが提供する FastTrack および、Enhanced Solutions というサポートサービスの存在もあったと説明します。

「FastTrack ではDynamics 365 導入のためにマイクロソフトが作成したフレームワークとプラクティスである Success by Design に沿って、Solution Blueprint Review などを行い上流工程のチェックや、リスクの洗い出しなどを行いました。また、Enhanced Solutions では Success by Design フレームワークに基づいて、リコージャパンの皆様が、より迅速に 新システムの価値を実感してもらえるようPQA(Project Quality Advisory)というサポートを受けました。とにかく頼りになるため、弊社員では解決が難しい課題があれば迅速にSR (Support Request) を挙げTimelyなサポートを受けるように心がけました。」

このように、リコージャパンにおける 新システム の短期構築が実現した背景には「リコージャパン内における営業プロセスの徹底した議論と、それによる新システムのあるべき姿の確立」「アクセンチュアとリコージャパンとの透明性の高いコミュニケーションと迅速な意思決定」「マイクロソフトとの親密なリレーション」という 3 つの要素が密接に絡み合っていたのです。

データドリブンな意思決定を加速させる生成 AI 活用

こうして 新システムは 2023 年 9 月から本格的な開発をスタート。翌 2024 年 8 月にはリコージャパンの全拠点に展開され、実運用を開始しています。新システムが過去のシステムと大きく異なるポイントの 1 つとして「多職種での情報共有」に重点が置かれたことが挙げられます。また、モノ中心の情報だけではなく、お客様への新しい価値提案につながるヒント=「お客様が抱えている課題の把握」を重視していることも大きな変化です。

こうしたお客様への高付加価値な提案と営業活動の生産性向上に向けた取り組みを、より強力にサポートするものとして期待されているのが、生成 AI の活用です。

リコージャパンでは Dynamics 365 Sales に付属する Copilot のほかに、Microsoft 365 Copilot を調達。加えて、リコージャパンが独自に開発した生成 AI を併用活用しています。

その一例が新システムにアクセスすると表示される 4 つのレコメンドです。酒井 氏は次のように説明します。
「当社の生成 AI を使って『Dynamics 365 Sales に入力した日報からのおすすめ商品』『Web 上の業界情報からのおすすめ商品』『購買履歴からのおすすめ商品』『顧客セグメント別の売れ筋商品』が自動的に表示されるようにしています。マイクロソフトの Copilot はOutlook のメールや Teams でのチャットや会議の要約などに活用しています」

長井 誠 氏, 経営企画本部 DX推進センター CRM推進室 室長, リコージャパン株式会社

“リコージャパンが 20 年以上にわたって作り上げてきた営業の型をすべて捨てるのではなく、残すべきものを残して進化させていくことができる。それが Dynamics 365 の強みです。また、今回のプロジェクトは IT 主体ではなく、ビジネスの現場を知るメンバーが主体となっていることが、Dynamics 365 の活用徹底に向けて、重要な意味を持っていたと思います。”

長井 誠 氏, 経営企画本部 DX推進センター CRM推進室 室長, リコージャパン株式会社

新システム活用深化に向けた KPI の設定

リコージャパンでは現在、新システムのグループ内への浸透と活用の徹底を図るため、Enhanced Solutions のアドバイスを参考として KPI を設定。「実践事例」の収集と共有を進めていると池田 氏は話します。

「Dynamics 365 Sales に入力された情報は、どの拠点にいる誰が入力したものか、バイネームでわかります。そこで『お客様の課題』を沢山入力している人など、うまく活用してくれているユーザーにコンタクトをとって、実践事例を集めています。その効果的な水平展開方法を Enhanced Solutions のチームの方に相談させていただいています。Dynamics 365 Sales の活用は始まったばかりですが、私たちとしては、予定通りにサービスインできた時点で、1 つの成功が得られたと感じています。この先もぜひ、アクセンチュアとマイクロソフトの親密なリレーションをもって、当社のプロジェクトに並走し続けてもらいたいと思います」

植村 慎 氏, テクノロジー コンサルティング本部 アクセンチュア マイクロソフト ビジネス グループ アソシエイト・ディレクター, アクセンチュア株式会社

“Dynamics 365 のような SaaS を有効活用する上で『Fit to Standard』というアプローチが必要不可欠です。リコージャパンの今回のプロジェクトで『Fit to Standard』を貫くことができたのは、PoC の段階から十分な時間をかけて『システムのあるべき姿』を、IT とビジネスの両面からしっかりと固められていたことがポイントだったと思います。”

植村 慎 氏, テクノロジー コンサルティング本部 アクセンチュア マイクロソフト ビジネス グループ  アソシエイト・ディレクター, アクセンチュア株式会社

網野 拓 氏, テクノロジー コンサルティング本部 アクセンチュア マイクロソフト ビジネス グループ シニア・マネジャー, アクセンチュア株式会社

“システムの基礎設計を行う段階で、リコージャパンの皆様とワークショップでしっかり議論を重ねたことにより、我々パートナー企業も含め会社、組織の壁を越えたチームワークを実現できたように感じています。また、各ワークショップで決定すべき項目を明確にし、ポイントを絞り込んで深く議論できたことが、短期間でのシステム構築につながっていると思います。”

網野 拓 氏, テクノロジー コンサルティング本部 アクセンチュア マイクロソフト ビジネス グループ シニア・マネジャー, アクセンチュア株式会社

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