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10/03/2025

DX、AI、ゼロトラストセキュリティ。山口県庁は、2030 年以降を見据えた業務環境の構築に、Microsoft 365 E3 + E5 Security をフル活用

デジタル改革に積極的に取り組んできた山口県は、2023 年に DX 推進に向けた包括契約を日本マイクロソフトと締結。さらにデジタル庁が整備・運用するガバメントソリューションサービス (以下、GSS) の検証事業にも採択され、GSS経由でのガバメントクラウド、LGWAN、インターネットなどへの接続の実現性、通信品質などの検証を行っています。

そして 2025 年。総務省が定める「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」の要件を満たすセキュリティ製品として、Microsoft 365 E3 と Microsoft 365 E5 Security を導入。「デジタル社会の実現に向けた重点計画」において 2030 年頃を目標と設定された国・地方の新たなネットワークへの移行を視野に、ゼロトラストセキュリティの構築を開始しています。

ウイルス対策から職員のクラウドサービス利用状況を可視化までを含めたエンドポイントのセキュリティを強化。システム全体を非常にシンプルなシステム構成を実現することで、運用管理の手間を削減することも可能となっています。また、Microsoft 365 Copilot を採用することで業務効率化への貢献が期待されています。

Yamaguchi Prefecture

積み重ねてきた行政 DX 推進。GSS 検証事業への参加

山口県は、2020 年のコロナ禍を契機としてデジタル・ガバメントの構築に向けた取り組みを積極的に推進してきました。2020 年 10 月に設置された全国知事会デジタル社会推進本部の本部長に村岡 嗣政 知事が就任したことを 1 つの象徴として、翌 2021 年1 月には「山口県デジタル推進本部」を設置。県と市町の連携を確実にするために「山口県デジタル・ガバメント構築連携会議」を立ち上げ、さまざまな取り組みを進めてきました。

2023 年 10 月 27 日には、日本マイクロソフトと「行政 DX の推進に係る包括連携に関する協定」を締結。Azure OpenAI など最新のテクノロジーを活用した「新しい働き方改革」の支援や、クラウドサービスの環境構築に関するアドバイスや技術的支援などに連携・協力して取り組んできました。

さらに、デジタル庁が整備・運用するガバメントソリューションサービス (以下、GSS) の 2025 年度検証事業に採択され、山口県の光ファイバー基幹ネットワークである「やまぐち情報スーパーネットワーク (YSN)」を活用した、GSS経由でのガバメントクラウド、LGWAN、インターネットなどへの接続の実現性、通信品質などの検証を行っています (山口県岩国市との共同検証)。 

そしてもう 1 つ、大きなトピックとなるのが情報セキュリティの徹底です。山口県の自治体情報システムは、三層分離モデルにおける LGWAN 接続系にローカルブレイクアウトを採用し、特定のクラウドサービスへの接続を可能にした「α´モデル」が利用されています。このモデルに対し、総務省が定める「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」の要件を満たすセキュリティ製品として山口県では Microsoft 365 E3 と Microsoft 365 E5 Security を導入。ゼロトラストセキュリティの構築が進められています。

2030 年の「あるべき姿」を見据えたセキュリティの実現へ

山口県 総合企画部 デジタル推進局 デジタル・ガバメント推進課 主任 田中 清弘氏は、Microsoft 365 E3 と E5 Security を導入した理由について、次のように説明します。

「実は 2025 年度に『β´モデル』へ移行することを前提として、Microsoft 365 E5 によるゼロトラストセキュリティの検証を 2023 年に行ったのですが、予算の都合でβ´モデルへの移行が見送られた経緯があります。α´モデルのセキュリティ要件を満たすには、Microsoft 365 E5 ではタスキに長く、Microsoft 365 E3 と E5 Security で十分であり、コスト的にもフィットすると判断して、導入に至りました」

この判断の背景には「GSS の利用が早ければ 2027 年の後半からスタートする可能性」も視野に入っていたと、田中 氏は言います。

「仮に 2026 年度に β´モデルに移行したとしても、翌年から GSS の利用が始まるのでは、せっかくの予算が無駄になってしまうかもしれません。私たちとしては α´からβ´、それから GSS へと段階を踏んでいきたいのですが、α´から GSS へと一気に接続していくことも十分に想定されたのです。何より 2024 年 6 月に閣議決定された『デジタル社会の実現に向けた重点計画』では、国・地方の新たなネットワークへの移行を 2030 年頃に実現できるように謳われていることを考えれば、時間的な猶予も多くはありません。そこで、必要不可欠な機能を揃えて、少しでも早くゼロトラストセキュリティの構築を進めることが重要だと考えました」

マイクロソフト製品でセキュリティを固めるメリット

山口県では、ウイルス対策を行う Microsoft Defender for Endpointに、フィッシング / マルウェア / スパムなどの脅威から保護する Microsoft Defender for Office 365 、職員によるクラウドサービスの利用状況を可視化する Microsoft Defender for Cloud Apps などを活用してエンドポイントのセキュリティを強化。さらに Microsoft Defender XDR によってログの一元的に収集・保管・分析できるようにしています。

これに加えて、Microsoft Entra ID によるユーザーのアクセス管理や Microsoft Intune によるデバイス管理を 2026年度から本格活用を開始する予定であるといいます。このデバイス管理が実現することで、災害時において職員のスマートフォンなどを安全に業務利用できる BYOD の運用が可能になります。

また、Microsoft 365 E3 の導入には、Microsoft Office をクラウドに切り替えるという目的もあります。
こうしてセキュリティおよび業務基盤をマイクロソフト製品に集約していくことについて田中 氏は「事業継続の観点においてもメリットがある」と説明します。

「マイクロソフトのクラウドサービスは、東日本・西日本の 2 リージョンのデータセンターから提供されていますし、SLA (Service Level Agreement) も高いレベルで定義されています。これらを考えると、庁内にサーバーを設置するよりも、はるかに安定した運用が行えます。実際、庁舎のメンテナンスのために年に 1 回停電させるのですが、この間はサーバーが止まってしまいます。それに、エンドポイントの防御に関していえば、Windows のアップデートにセキュリティ製品のアップデートが追い付いているかどうかが重要になります。もしも他社製のエージェント型製品を採用して Windows の最新状況に齟齬が生じた場合、組織内の PC すべてにトラブルが発生し、事業継続に支障をきたす恐れがあります」

山口県 総合企画部 デジタル推進局 デジタル・ガバメント推進課 主任 安永 忠弘 氏も「ユーザーの利便性を損なうことなく安全性を高めていくことが重要。将来的な統合 SOC (Security Operation Center) の運用にまで効果がある」と続けます。

「やはり、オールインワンでサービスが提供されていることが一番です。当庁の Microsoft Teams には、県の職員だけではなく、数多くのゲストが招かれています。そうしたゲストには、農林部会や医療部会など、民間の専門家や識者なども多く、セキュリティ強化のために『接続を切る』ということもできません。SharePoint Online や Outlook など、その周辺で活用しているマイクロソフト製品も含めて、より充実したセキュリティを実施するには E5 Security が最善だったのです。それに、さまざまなクラウドサービスの利用を含めたネットワーク全体を一元管理することも可能になります。将来、独自に SOC を運用することになった場合にも、監視対象ソリューションを少なくしておくことで対応する SOC ベンダーが多くなり入札の際は競争原理が働くことなど恩恵を得ることができます」

田中 清弘 氏, 総合企画部 デジタル推進局 デジタル・ガバメント推進課 主任, 山口県

“Microsoft 365 は、Office アプリからセキュリティ製品までが含まれた、非常に魅力的なパッケージです。国が推奨するクラウド・バイ・ディフォルト原則にも適っています。私たちが理想とする、非常にシンプルなシステム構成を実現して、運用管理の手間を削減することも可能です。将来的な構想も含めて、極めて大きなメリットが得られることを期待しています。”

田中 清弘 氏, 総合企画部 デジタル推進局 デジタル・ガバメント推進課 主任, 山口県

Microsoft Unified の活用で “内製化” もスムーズに

山口県における Microsoft 365 E3 と E5 Securityの導入において、1 点ユニークなことが「内製化が進められている」という点にあります。

「導入時には IT パートナーの手を借りていますが、その後の運用に関しては私たち自身で行っています。今は、Microsoft 365 の本格運用に向けて日本マイクロソフトと併走してもらっている状態です。何か疑問が生じた時にはすぐに Microsoft Unified のサポートに問い合わせているのですが、このサポートが非常に迅速かつ丁寧で助かっています。リクエストの制限もありませんので、私たちも遠慮なく質問させてもらっています。それに、サポートへ問い合わせた履歴や、そこで得た知見などを後任の職員にも活かしていくことも可能だと思っています」

こうした「過去の履歴」や「知見」を次の人に引継ぎ、人材の育成と業務の効率化を促進する手段として、大きく期待されているものとして生成 AI である Microsoft 365 Copilot の存在が挙げられると、安永 氏は言います。

「以前に、県庁の L3 スイッチを交換したのですが、その時のプロジェクトの一環で途中参加したメンバーは、それまで行われていた Teams 上のチャットを Copilot に要約してもらっただけで、円滑に合流してもらうことができました。私もその要約を確認したのですが、5 ~ 6 時間分におよぶ大量のチャットの情報が、とてもキレイに網羅されていて、要点もしっかり押さえられていました。プロジェクトに新しい人がアサインされても、その人をフォローする手を増やすことはできませんからね。Copilot がいかに役立つか、強く実感しました」

安永 忠弘 氏, 総合企画部 デジタル推進局 デジタル・ガバメント推進課 主任, 山口県

“当庁の Microsoft Teams には、県の職員だけではなく、数多くのゲストが招かれています。そうしたゲストには、農林部会や医療部会など、民間の専門家や識者なども多く、セキュリティ強化のために『接続を切る』ということもできません。SharePoint Online や Outlook など、その周辺で活用している Office 製品も含めて、より充実したセキュリティを実施するには、E5 Security が最善だったのです。”

安永 忠弘 氏, 総合企画部 デジタル推進局 デジタル・ガバメント推進課 主任, 山口県

Microsoft 365 Copilot などの活用で業務の効率化を促進

田中 氏もまた、Microsoft 365 Copilot への「期待は大きい」と話します。

「日本マイクロソフトとの包括連携を結んだ当初は、県内 19 市町 とも連携して、Azure OpenAI のワークショップを開催して『実際にどのような業務に活用できるか』といったアイデア出しなども行ってきました。ただ、全庁および 19 市町での活用となると、少々ハードルが高いという印象もありました。しかし、Microsoft 365 Copilot の方は Teams や Word、Outlook などにも組み込まれているために、非常に使いやすいです。メールの下書きをさせるのもいいですし、スレッドの積み重なったメールを要約してもらうのも便利です。さらに言えば、国から送られてくる 100 ページ以上あるような PowerPoint のスライドを要約してもらうのも、時間短縮に有効です。今後、全庁での活用が進めば、業務の効率化はさらに進むでしょう」

最後に、田中 氏は言います。
「Microsoft 365 は、Office アプリからセキュリティ製品までが含まれた、非常に魅力的なパッケージです。国が推奨するクラウド・バイ・ディフォルト原則にも適っています。私たちが理想とする、非常にシンプルなシステム構成を実現して、運用管理の手間を削減することも可能です。将来的な構想も含めて、極めて大きなメリットが得られることを期待しています」

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